型枠とは?
コンクリート製の構造物を施工する時、まだ柔らかいコンクリートを構造物の形に流し込む為の枠(型枠)を作る仕事です。
型枠は、図面通り正確な形で組立、流し込まれるコンクリートの圧力に耐える強度を必要とされます。
その型枠を組立てるのが「型枠大工」と言う職人であります。
コンクリート製の構造物の良し悪しは、型枠大工の腕にかかっています。
型枠工事の流れ
型枠工事の建物(マンション)施工での仕事の流れを一つずつ見ていきましょう。
- 打ち合わせ
まずは、各現場ごと建物の規模・工程を元に、工事の工法・必要な材料・人員の配置を決めます。
- 型枠加工図の作成
加工図作成には、建物の図面を元に最近ではCADなどを使用し、型枠の寸法が書かれた加工図を作成します。
- 型枠加工
先程作成した加工図を元に型枠の加工を行っていきます。
写真にあるように、加工図の寸法通りの切断された合板(ベニヤ板)・角材(桟木)を釘で打って出来た枠(パネル)が型枠になります。当社では独自開発した自動型枠加工システムTADACを利用しています。 - 墨出し
ここからは現場での作業になります。
現場では、まず型枠を建てる為に必要な基準線(墨)を出していきます。墨は、専用の測量器具を使って出していきます。
次に、型枠を建てる部分の墨にそって台(桟木)を敷いていきます。ここで敷いた桟木が型枠の土台となる為、測量器具を使って水平に高さを合わせて敷いてコンクリート釘で固定していきます。 - 型枠組立て(建込み)
いよいよここから型枠を組立てていきます。
先程出した墨にそって型枠を建てていくわけですが、パーツもかなり量になる為、加工図を見ながら各パーツを真っすぐ垂直に組立てていきます。
特殊型枠として、金網を使用しての(ラス型枠)を施工するケースもあります。 - 締固め
ここでは、組立てた型枠に専用の金具・鉄製角パイプを使って型枠を固めていきます。
写真の様に固める事により、流し込まれるコンクリートの圧力に耐える型枠になります。 - スラブ(天井・床)貼り
スラブとは、建物の天井・床の事を言います。
各部屋ごとに支保工と呼ばれる支えを組み、その上にベニヤを貼っていきます。
高さを合わせて組まれた壁型枠に支保工の高さも調整し、水平にベニヤを貼ります。 - 点検と固め
すべての型枠が組み終わったら流し込まれるコンクリートの圧力に耐え、正確な形になるように各所点検しながら必要な箇所を固めて、コンクリート打設に備えます。
- コンクリート打設
いよいよ最後の仕上げです。
職人達により組立てられた型枠にコンクリートが流し込まれます。
ここで、型枠大工は流し込まれたコンクリートにより型枠に変化・動きはないか・不備はないかを常に点検していきます。 - 型枠解体
流し込まれたコンクリートが固まりコンクリートに強度が確認された後、型枠を解体します。